恋色風船

そうして明彦は、それを心ゆくまで味わう権利を有する、唯一の男、ということになっているのだから。


もともと虚栄心が強く、ブランド好きの男だ。

車にしても勤務先にしても、女にしても。

麻衣は明彦のそんな虚栄心を大いに満たし、満たされれば明彦はたいそう優しくなる。

それでいいのだ、自分たちは。


オープンスタイルのカフェに腰を落ち着ける。
明彦はブレンドコーヒー、麻衣はカフェオレをそれぞれ注文する。

「意外に雰囲気いいな、ココ」

「この席空いててよかったね」