恋色風船

なんだかんだ、コレがいちばんまつ毛を上げてくれる、というのが麻衣の結論だ。

男たちがタバコに火を点けるための100円ライターが、女の美にも一役買っているのだから、面白い。

ビューラーを、あごにちょんちょんと押し付けて、温度を確かめ、ぐっとまぶたの奥に押しこむように、まつ毛をはさみ上げる。

カリスマ、と称されるメイクアップアーティストのやり方を真似たテクニックだ。

そのあと、上下のまつ毛にマスカラを塗ってゆく作業が、麻衣は好きだ。


もともと大粒の瞳が、さらにぱっちりと、まさしく人形のように強調されてゆく。


なかば自分に酔いながら、麻衣は息をつめて手を動かす。