「すばる、奈緒後で話すから一回外して」



見たことのない兄の顔
だんだんとぼんやりしてくる…
優しい顔を向けかけた彼の顔を見ず下を見た


「行こう…」



手を引かれる
周囲から人の気配が消えた
視界の中に赤が入る


「美麗…」



久しぶりに聞く少し高いでも安心する声
彼の顔に雫が落ちる
「ばか…」




目元に手が触れる



「また…
失ったと…



彼の手が頭に触れる

「大丈夫…だから……
その話は一回やめよう…」



笑った顔
一筋の光が頬をに走っていた