「おふろ入って…」
家に帰るなり脱衣所に押し込められる
私より中谷さんの方が濡れてたような…
「美麗ちゃん風邪ひいたらいつも悪化して苦しくなるでしょ…
だからよくあったまってね」
そう言われ納得する
濡れた制服を体から離していく…
制服….
どうするかな…
一回 ハンガーにかけた
雨は嫌いだけど好きだな…
「はぁあ…」
髪が湯の上に散らばる
猫
どうしてるかな…
………
………
ん……
瞼を開いた
「あ、おきた…
ごめんね…
熱あったのに」
珍しくメガネ姿の中谷さんは本を置いてこちらを見た
手を挙げてみるといつもの部屋着になっている
「ごめん
そこは気にしないで…」
そっぽを向いた中谷さん
「寝る?
何か食べる?」
「ね…ゴホッゴホッ……
「分かった…
ずっとついてるから何かあったら言ってね」
ぽんぽん
優しく温かい手が頭にのる
安心しきって目をつぶった
……
……
温かい日差しが入ってくる
ん…
んん…
真っ白な私の部屋の天井
視線を横にずらす
え…
一気に体を起こした
ゴホッゴホッ……
「大丈夫?
美麗」
背中をさすられる
待って…
何で…
ゴホッゴホッゴホッ…
声を出したくても咳が邪魔で声を出せない
「これ飲んで…」
甘い…
ホットバナナだ
頭が痛い……
背中を支えられもう一度横になる
「中谷なら、
漣にいるよ…」


