「どこから来てたんだろう…」











そんなかけるの言葉は聞かないふりをした




〜mirei


「中谷…」

「はい?」


私の低い声とは裏腹にいつも通りのトーンで返してくる中谷さん

「何であんなこと言ったの…」

「あんなこととはなんでしょう?」

とぼけた口調



「お願いしますなんて…」



「それが最善だと思ったんだよね…」





「訳分からない…」


「ぇえ…
自分でも…」

そう言って自嘲気味に笑った中谷
車は信号で止まっている
ドアのロックを外し外へ飛び出した
雨が私を濡らす
体温を奪っていく
寒い…
寒い…
近くで見つけた小さな公園
遊具の下に隠れる
携帯電話を取り出しかかるはずのないあいつの番号にかけてみた…
出てよ…
でて………

「この電話番号はg……」





もう惨めすぎる
自分で奪ったのに…
何でまた求めてるんだろう…
笑ってみるけど乾いた声しか出ない


にゃ〜


銀色の鈴をつけた猫がやってきた
その子をゆっくり抱き上げた…


「君一人?」


猫は答えるはずもない


「私と一緒だ…
どこかへ逃げてしまおうか…」