1つの扉
ここ
女の子の部屋だ
ただし
生活感は全くない
部屋の主をなくした
ピンクの部屋
「ここ」
ベッドを数回叩く彼に従い彼女を寝かせた
「かけるはでて…
君は…」
「ここにいます」
「ん」
短くそう返事をした男は彼女に視線を落とす
男は彼女にいくつか質問をし熱を測った
「多分インフルエンザだろうな…
本当は病院に行って薬をもらったほうがいいだろうけど…」
男がこちらを見る
「いけないです。」
「まあ俺のとこに来るってことはそういうことだろう。
温かくして…
栄養のあるもの食べさせていれば治ると思うけど
これ以上熱が上がるようだったら危ないからね。」
「はい。
ありがとうございました。」
彼女を抱え家を出た
………
〜♪
携帯が震えた
相手は見なくても分かった
だからそれを取らなかった
きっと
いつもと変わらない話だろうから
部屋に戻る
彼女は目覚めない
小さく息を吐き携帯を開いた
通知の数がひどい
相手はただ1人
まあ、
もうどうでもいい
机に広げた手紙を手に取る
外はまだ明るかった
.


