「ほいっ!」
「た、たこやき?いいの?」
「ああ。」
私は温かいたこやきの蓋を開けて食べ始める
「え、これタコはいってない!」
「ぶはっ!前もタコはいってなかったよなっ!」
「そうそう!…って、爽太君…お、覚えて…」
「え、あ。…なんでだろ…。夏祭りのときのお前の表情とそのセリフが頭にぱっとでて…」
うそ…。思い出しかけた…?
「ほ、他には?!」
「え?あーこれははっきりじゃないんだけど、前にもりんご飴をお前に渡したような…」
やっぱり。爽太君は思い出しかけてる
「その時の私の浴衣のがらって覚えてる?!」
「いや…そこまでは…」
うーん。部分的にしか思い出せないわけなのか〜
「わりぃな…」
爽太君のそんな悲しそうな顔、見たくないよ…けど、そんな顔させてるのは私
「ううん。…」
沈黙が痛い。この沈黙を破ったのは爽太君だった。
「明日のステージ期待してるから」
「え…見に来てくれるの?」
明日はバトン部のステージがある。
「まぁな。竜と一緒に行く」
「ありがと。がんばります。」


