君が私にくれたもの


【3日後】

「たいくつぅぅ」
「球技大会終わってからずっと雨だもんね〜」

球技大会。3組はバスケとテニスを優勝した。総合優勝は逃したけれどすごく楽しかった!

「みんな。席につけー」

「今日は自習だからしっかり勉強しろ」

「やった!」

「じゃあ、がんばれよー」

先生はそれだけ言って面倒くさそうに教室を出て行った。

「ねぇ、美空!今先輩とどんな感じ?」
「えへへ。それ聞いちゃう?」
「聞いちゃうぅ!」

「この前水族館デートしたんだぁ。」

「うそ!」

「しかも…手握ったの!」

「えぇ!やったね!!」

「先輩すごく優しく…ずっっごく楽しかった!」

「いいなぁ〜!」

「あはは!絵美奈も爽太くん目覚めたら一緒に行ってもらいなよ!」

「ええええ?!そ、それは、恥ずかしいし。爽太くんもいつ目覚めるか…」

「ごめん。ちょっと調子に乗った」

「美空が謝ることじゃないよ!!」

爽太くんのことでいちいち暗くなってたら美空が心配するよね?気をつけなきゃ

キーンコーンカーンー

あっという間に自習の時間が終わった。

ガラガラー
「瀬乙女 美空ってどいつ?」
「え、あれ2年の先輩達じゃん」

「私です…」
「美空…」
「大丈夫」

みんなとこっそり美空と先輩達の後を追った。2組や1組の人も教室や廊下で見ている。

途中の階段の前で止まった。

「あんた上条君と付き合ってるそうね」

「…はい」

「私だち入学したときからずっと好きだったの。けどあんたに横取りされたわ」

「そんな…」

「知ってる?私、この前聞いちゃったんだ。上条君と森山君の会話。」

上条先輩と森山先輩の会話?

「上条君、あなたと付き合ったの後悔してるらしいわよ。この前のデートも全然楽しくなかったって」

「嘘…」

「嘘じゃないわよ。そんな泥棒猫みたいなことして付き合ってもらったからこんなことになったんじゃない?」

「ーっ」

「あーら。泣いちゃった?ごめんね?」

「…」

美空は泣きながら走ってどこに行った。