君が私にくれたもの

「お兄ちゃん落ち着いて…」

「おい!誰か!勝ちたければ絵美奈と交代しろっ!!」

「ちょ、お兄ちゃん!」

「絵美奈お前この前出るって言ってたろぉが!なんで補欠なんだぁ!?」

お兄ちゃんいつもは私の前では使わない怖い言葉で話す。

「もともと、赤城さんがでるはずだったのに、急に中島さんと変わったんだよね…」

クラスメイトがボソッと言った言葉をお兄ちゃんはしっかり聞いてて…

「中島ってどいつだ!あぁん?」
「ひいっ」
中島さんはさっきとは裏腹に、顔を真っ青にして怯えてる。

「ち、ちがうの!私今お腹空いてて動けないから美空にオニギリ買ってきてもらうように頼んだの!!オニギリが来るまで中島さんがでてくれてて…!」

苦しい言い訳だったかな…?!

「なぁーんだ!びっくりしたよ。脅されて仕方なく変わったのかと思ったぁ」

も、もしかして、気付いてらっしゃるのかも…。

「試合始めまーす」

【10分後。1クオーターが終了】

「20対18。2点負けてるね」
「あぁ。」
「ってお兄ちゃんまだここにいるの?!」
「ったりめーだ!絵美奈のバスケは近くで見た方が迫力あるからな!お前もそうおもうだろ!蓮?」
「あ、俺まだ赤城のバスケ見たことなくて…。そんなにすごいんすか?」
「まだ見てねぇーのか?!ふーん。じゃあ見たらわかるよ」