「え?!お兄ちゃん、朱里ちゃんのこと諦めたの?」

「いや…。…うん」

「…?」

もしかして、まだ朱里ちゃんのこと諦められないのかな?…けど、他の人と付き合って…

朱里ちゃんとは、お兄ちゃんとつきあってて小さい頃から家によく来ていたお姉ちゃんみたいな存在。

「いつから付き合ってたんだっけ?」

「…中1」

中1…12歳から。…

お兄ちゃんは去年、朱里ちゃんと別れた。きっかけは朱里ちゃんのお母さんに反対されたこと。朱里ちゃんの家は母子家庭でしかも穂篠旅館だったから朱里ちゃんは旅館をつがせられる。

そのためには、決まった人と結婚させられるらしい。

私もその時7歳だったからよく覚えてないけど。