ちらっと翔也くんを見ると、今だと目で合図をしてきて、私はさっと横に避けた。
その瞬間、手際よく翔也くんのお母さんからクラッカーを渡されて。
「誕生日おめでとう!」
翔也くんがそう言った矢先、お母さんがクラッカーを鳴らす。
その流れに慌てて私もクラッカーを鳴らした。
ケーキを渡されプレゼントを渡されたお兄さんは、仕方ないなと言いたげに笑った。
「すいません、私、何も用意してなくて…」
一言謝ると、お兄さんは私の頭をなでて笑いかけた。
「いいよいいよ、気持ちだけで、来てくれただけでも十分。
それに、俺や母さんの代わりに翔也の話し相手になってくれてるじゃん?
美乃ちゃんには散々お世話になってるから、むしろこっちから何かあげたいくらいだよ」
いつも通り妹扱いしてくるお兄さんに、そんなことないですと笑いかけた。
…私はただただ翔也くんが好きだから尋ねてるだけなんだから。


