「みひろん、こいつがどうしたの?」
気だるそうな声が冷たく刺さる。
みひろんと呼ばれた彼女は、ムッと頬を膨らませた。
「だから、みんながいろいろ疑うから、なんにも知らない白雪さんに協力してもらうの!」
分からないの?と言いたげに胸を張った吉野さんには、そっかと明るい視線が向けられる。
いきなりマジックの被験者にさせられた私には、出てくるなと言いたげな視線が向けられる。
もう、その冷たい空気に耐えられなくて。
「あの、私、そういうのいいんで…」
慌てて断り逃げようとすると、素早く腕を掴まれる。
「逃さないよ?
私、白雪さんに協力してもらいたいの」
えへへ、と可愛らしく笑った吉野さん。
そんな吉野さんの言葉に、今度は断るなと言いたげな視線が刺さる。
吉野さんの一言でコロコロ変わる周りの視線、特に女子からの目が怖いし辛い。


