「別に、そんなこと思ってないよ」
ふいっと目をそらし、笑いをこらえながらそう言うと、みひろんにこちらを向かされ頬を引っ張られる。
「思ってた!証拠も集まらないだろうとか!」
ムスッとしながら訴えるみひろんに、笑い出しそうになりながら、「思ってない」と言い返す。
だけど頬を引っ張られているから、なかなかうまく言えなくて。
そんな私の発音を聞いて、みひろんが吹き出して笑い始める。
パッと手を離された瞬間、酷いとムッとすると、みひろんは余計に笑い出して。
温かかった。
何気ないそういうやり取りに、幸せを感じた。
きっと高校に入ってからこういうやり取りをしたことがなかったから。


