相変わらずみひろんは嬉しそうに笑っていた。
そのうち私がひいている自転車を掴んで足を止めた。
いきなり止められたものだから、少しだけバランスを崩す。
それでもなんとかもちこたえながら、みひろんのいる少し後ろを向いて首を傾げた。
「それならさ、やっぱり悔しいよね、大切な人を馬鹿にされて」
みひろんの言葉に、当たり前だと首を縦に振る。
そのあとみひろんは私の隣に並ぶと、サドルに置かれた私の右手に左手を添えて、
「悔しいだけじゃなくて、本当はずっと苦しかったんでしょう」
優しく優しく笑いかけた。
その笑みに心がほんわかと温かくなっていった。
…みひろんには、かなわないな。


