「翔也くんが大切、なんだね」
消え入りそうなほど小さな声に、儚く思いを乗せて呟いた。
みひろんの声は小さくてそれこと風の音に消えてしまいそうだったけれど、かろうじて聞き取れた。
一音一音に込められた気持ちが、ぬるく伝わってくる。
ハッキリとはわからない、みひろんの思いを、ゆっくりと飲み込んで。
「…うん、大切」
同じくらいゆっくりとそう言った。
みひろんと同じように、一音一音に思いを込めて。
頭を流れる思い出を、その言葉の一文字一文字に乗せて響かせて。
大切って一言じゃあ表せないくらい大切で大好きだって、言葉にしなくても伝わるように。


