「そういえば、…昨日はありがとう。」




しばらく続いた沈黙のあと

励ましてくれたお礼を伝えたくて、
間宮くんの方を向いて、ちょっと頭を下げる。




「俺なんかしたっけ」

「帰り際に声、かけてくれたでしょ?」

「あー、そうやったっけ?」




ちらっと私を見ただけで、すぐに顔を逸らした間宮くんは
私が泣いてた理由を聞いてくることも無くて





「私ね、彼氏に振られちゃったんだ。」





こんな話をしても、ただ話を聞いてくれる気がして。


振られた理由も、今朝あったことも
気づいたらぜんぶ話してた。