歩美の姿を見つけた私は手を挙げた。
そのすぐ隣には雅也さんがいる。
歩美もこちらに気づいたようで、手を挙げた。
「も〜、ひなた!遅すぎ!」
「やーごめんね。雅也さんも、ごめんなさい」
頭をさげれば、にこっと笑って
「大丈夫だよ、気にしないで。俺のツレもさっき来たばかりだから。な?」
雅也さんは隣りいる男の子の肩を軽くたたく。
その人の顔も、見覚えのある人だった。
「朝陽くん?」
「ひなたじゃん」
驚いた顔で彼を見つめれば、彼も驚いた顔でこちらを見ていた。
「ひなた、知り合いなの?」
「うん、ひかりのね」
私が男の子をあまり好きではないことを知っている歩美は、男の子の知り合いがいたことに驚いたようだ。
だけど、私の回答に納得したように頷いた。

