「けっ……上等。力も上げてやがる。おい、りおん大丈夫か?」
「う……なん、とか。ぺっ……うぇ、自分の血の味最悪」
しおん、りおん……。
ふたりともよろけながら立ち上がる。
タウイは、眉をひそめると口角を上げた。
「無様な……実力はもはや我の方が上。次は確実に仕留めるっ‼」
だめ、やめて……。
二人の前にでると、タウイの動きが止まった。
今さっきより更に眉をひそめる。
「……なんの真似だ。お前じゃなんの力にもならない。どけ、女」
「いやっ!私、二人は悪魔だけど根はいいこなの知ってるから!傷ついてほしくないの‼」
大丈夫。
私は力を持ってる。
「なら、お前ごと死ねぇぇぇっっ‼」
「……っっ‼」
意識を集中させて、タウイの攻撃を防御する。
しおんとりおんには一切傷をつけずに。
「どうして、私のお父さんを殺したの!?」
私も自分で防御してるけど、二人のよりも、防御力が弱い。前へ、前へと進む。
「っ!くらえぇっっ‼」
「まりあちゃんっ!?」
「おいバカおんな!俺らは自分で防御できる‼お前の方が危ねぇじゃねーか‼」
聞こえてるよ。
ちゃんと届いてるから。
腕に傷がピッと入る。
……いたっ……。
傷ができてもいい。
私は聞きたいの。
「くるな……くるなぁぁぁ‼」
タウイの目の前に来たとき、攻撃はピタリと止まる。
私の体には傷が多くできていた。
「……どうして、私のお父さんを殺してしまったの?」
「…………はっ…………王はなんせ阿呆だ。何もかも全部が幸せでできていて能天気で一番信頼してた相手に裏切られる姿‼まさに屈辱的だったろうになぁ!アッハッハッハッ‼」
私はちゃんと見なきゃいけない。
「おまえっ――‼」
「よせ、しおん」
ありがとう。りおん。
しおんも、ありがとう。
「そう……それがあなたの心なのね」
ぱしっと頬を叩いた。
「なにす――……」
「あなたがしたことは一生消えない罪なのっ‼一人の人が亡くなって悲しむ人がどれだけいるか分かる!?」
涙がポロポロと頬を伝う。
「私だけじゃない‼大勢の人が悲しむの‼悪魔にとって人間の命は小さなものだと思うけど、たった一瞬でもその人と、過ごした時間と思い出は心に残るんだから‼ずっとずっと、死んだとしても覚えてるの‼」
泣きながら、タウイに語りかける。
苦しい。
息が、しにくい。


