伝えたい言葉がある。


~*Maria-side*~


通信、できた。よかった……。
きっと助けに来てくれる、よね?

『人間の、女……』

『女だ……』

『人間の、女……』

しおんの皮を被ったこの知らない人の手は、しおんと同じように温かくて、優しい。

まわりにはモンスターばかりいるなか、真ん中の道をモンスターは横にずれて、開けてくれる。

「大丈夫。いまは、なにもしない」

しおんの顔なのに、声が違う違和感。
だけど安心させてくれる心遣いに何故かほっとする。

……こんなに、いるんだ。

右を見ても左を見てもモンスターだらけ。
やっぱり怖くないと言ったら嘘になる。

「どけ。我はタウイ様の使いぞ。低俗下級ども、お除けよ」

低い声が辺りを静めらせて、道が一気にできた。
まっすぐと続く一本の長い道の先に、館が見えた。

あれは……。
なんだろう?
タウイ、ってどこかできいたような……。

「あっ……」

一度、足が止まったかと思うと、また歩き出す。
腕が引っ張られて、力強い手が、しおんの姿だけど違う人だとわかっていて、格好いいと思ってしまった。

「…………あなたは、しおんではないんでしょう?」

「……はい。私は悪魔の手先としてあなたに近づきました。しおんが後に私達の元に来ることはわかってますから」

「しおんと、知り合いなの……?」

「…………」

また、無言。