伝えたい言葉がある。


「ほ、ほんとにこないの?」

「あ?お前どっちだよ。来てほしいのか?」

ムカついた!
さっさと戻して学校行こっ!

しおんに向けて手をかざすと、キンッと音が鳴りみるみるうちに大人の姿に変わっていく。

「仕方ないからりおんもしとくね」

「え、ほんと!?」

りおんも、同じように大人の姿になった。
りおんは自分の体をあちこち見回り、表情が明るくなる。

「んじゃ、俺らここにいるからさっさと学校に行ってこいよ。ばいばいさん」

「え、ちょっ……」

しおんに背中を押されて、家から追い出された。

なんなのよあいつ~!

一人での登校は久しぶりで、なんだか寂しい。
そう思うのは、隣にいつもしおんがいたから。

あいつのせいだ。
……むかつく。

隣に座っていたしおんを探してしまう。

……山田くん、あなたじゃない。

元々、隣に座っていた山田くんと目があってしまったけど反らした。

結局、ずっとしおんのことを考えてた。
授業中、お昼頃、今も……。

私はしおんのことが好きなのだろうか。

靴を履き替えるために下駄箱へと足を向けた。
そこには、背中を向いて座っているのは、しおん?

しおん……しおんだ……。

「こ、んなとこでなにしてるの?」

ここには来ないって、私が言わせたのに。
声が、震えた。

ゆっくりとこちらを振り向く。
だるそうに、歩いていってしまう。

「あ、まって!」

私も急いでしおんの後を追いかける。
なにも言わずに、ただ隣を歩いてるしおんを見つめては、話しかけられずに下を向いて歩く。

はぁ……。
なにやってるんだろ……。