伝えたい言葉がある。


「それがりおんくんに似てて――……あれ、何でそのあと記憶がないのかしら……」

ばっちり覚えてらっしゃるー。

しおんは目で「言うんじゃない」と訴えかけてくるし、そしてやっとりおんがお風呂から上がってきた。

ナイスタイミング!

「ふ~……あれ、みんなどうした……の……」

髪の毛を拭きながらくると、お母さんは目を輝かせた。

「あ、やっぱりりおんくんだ!ねぇ、あの翼どうやってるの!?みさせて!」

うげ、とした顔でひきつらせている。
こっちをみられても……。

私は目をそらしてしおんを見る。

「しょうがない、りおんの後始末が雑だったんだろ。なんとかしろよ」

りおんの顔は笑ってるのかひきつっているのかわからない。

「おかしいな……子供姿のはずなのに……」

りおんはもう一度お母さんの記憶を消すことにした。
紫色の陣が母にめがけてスッと入っていく。

お母さん……大丈夫、なのかな……。

「あら……私今まで何してたのかしら?やだ!仕事とっくに終わってるじゃない!どうしよう……」

「あ、仕事ならお母さんちゃんと行ってたよ」

記憶、なくしちゃったのかな?
やっぱり、悪魔だし見られたらまずいんだ……。

「あら、そう?」

二人はハイタッチしてほっとしたのか、同時にため息をついた。