伝えたい言葉がある。


「え~?だってラウロスもそうやって抱かれても何もなかったでしょ~?だから~」

「それとこれとはべ・つ・で・しょ!」

私から引き離すと寂しそうに地べたに座り込む。
まるで犬の幻が見えるような気さえする。

う……だからやめなさいって……。

「あー、じゃ私洗い物するからあんたたちは暇潰しでもしてなさいよ」

数の多い食器を重ねながら台所へ。
りおんはおつまみの煎餅をつまんで、二階の私の部屋へ歩いていった。

あ、逃げた。

「…………ん、それ終わったらさっさとこいよ」

「あ、ありがと……」

お皿を一枚私に渡されただけだが、それが優しいと思えてしまう。不覚にもしおんの優しさのようなものが、この数ヶ月でわかってきてしまった。

調子狂うなぁ……。

「はぁ……」

結局は二階に逃げてるだけだけど。
洗い物したくなくて、二階ににげるだなんて小学生ぐらいしかしないから‼

「……はかどってますか~?」

りおんがひょこっと顔を出した。
姿が可愛いから何でも許せてしまう。

「はいはい。まったく二人して似た者同士なんだから」

くすくす笑う。
りおんは、きょとんとしていて微笑んだ。