伝えたい言葉がある。


「おい、お前さっさと帰れ」

「えーやだよー。それにしおん一人じゃタウイ倒せないでしょ?」

冗談半分の口調が、真面目な口調にかわる。
りおんは、なにを思ってるのか未だに掴めない。

「……ちっ」

「いだだだ!しおんさん痛い痛いっ~!」

ラウロスの頭部がしおんの手でめりっと掴まれて、ラウロスは半泣きだ。

ラウロス……
あのこ、いいこだ。

「ちょっと、しおん」

しおんの手首を掴むとしおんの体が一瞬跳ねた。

「な、なんだよ」

「手、離してあげて」

ラウロスの瞳がうるうるした目で私をじっと見つめられて、抱き締めたい気持ちがより強くなった。

しおんがなにも言わずに手を離すと、直ぐに私はラウロスを抱き締める。

「やっぱ可愛い~!凄く手触り気持ちいい~!」

「え、えーっと……その……」

しおんとりおんは硬直して、一直線にラウロスを見つめる。

「おいりおん。あいつ二度と戻れなくしてやろうか」

「賛成。翼でも剥ごうか」

ラウロスはふたりの負のオーラを感じとり、はっとするとばたばたと私の腕の中から飛び出して、鏡の中へ消えていった。

あ……行っちゃった……。

「ちっ。逃げたか」

「ふっ。まぁいいや。僕にはこれがあるもんね」

ポケットから出した粉の入った白いなにかを、りおん自身に振りかける。

最後の粉を全部使い果たすと、みるみるうちにりおんは少年へと戻った。

「て、めっ‼」

「まりあちゃ~ん!」

いつのまにか男の子に戻っていたりおんが私に抱きついてる。やっぱり、この目線になるとどうしても普通の男の子にしか見えない。

「……りおん?どうしてまた小さくなってるのよあんた……」

りおんが理由もなく小さくなってるのはあり得ない。
なにか裏がある。