着替え終わると、外にいるしおんに声をかけて外へ一緒に出かける。
どこいくんだろう……?
しおんの後ろを歩くようにして歩いていると、不意にしおんが立ち止まり私の歩く足と小幅を合わせる。
「…………で、どこにいくわけ?」
しおんが静かだと落ち着かない。
それに、何だか速度を私に合わせているみたいだし。
「さぁ?知らね」
「はぁ??」
しおんが何をしたいのか、よくわからない。
しばらくして、また無言になる。
なんなの?
なんかむずかゆいんだけど!
「……おまえの行きたいとこはないのか?」
「え、なに急に」
「金は持ってるし、お前の希望に行ってやるよ。どこがいい?」
急激に優しくなったしおんを見つめると、寒い。
なにか裏があるんじゃないかと身構えてしまう。
……なにこれ。デートの誘い?
「……えーっと……?特にないんだけど、しおんどこかにいきたかったの?」
疑心暗鬼していると、しおんの顔が不機嫌になっていく。
「ちっ……。ったくなんなんだよお前……」
「いや、こっち聞きたいわ」
しおんの様子からどうやら特に意味もなく、私を何処かに連れていってくれるみたいだ。
「俺にそんな切り返ししてくんのお前以外いねぇよ」
「そりゃどうも」
いらいらした様子でやっぱり速度を早めたしおん。
私はただ、その後ろを見つめるようにして歩いていた―――……。


