ん、朝……?
ぼやけた目でうっすらと目を開けると――……。
目の前には、りおんじゃなくて大人のままなしおんがめを見開いたまま隣で私を見ていた。
「え、しおんー!?りおんは……」
がばっと起きると、しおんも上半身を起こす。
「ああ……。りおんならガムテープでぐるぐるにしといたから。今日はお前……まりあ、ついてこい」
「え……はい…?」
名前を、初めて呼ばれた。
ここ最近、初めてなことが多い気がする。
しおんもだし、りおんも……。
なにか忘れてる気がするような……。
「……まぁいいや。着替えるから出ていってくれる?」
「へいへい……」
扉を閉めて出ていってくれたおかげで、やっと一息つける。ふうっと、息をはいた。
あ、そうだ。
これだけは言っとかなくては。
「しおん、制服ありがとね」
あれ、聞いてないのかな……無反応……。
「……おう」
ドア越しに声がした。
最近、しおんとの距離がびょーなとこにきてる。


