さっさと二階へ行って、ドアの音が聞こえたから寝てしまったんだろう。

しおん……。

「ふぁ~……。僕もねむくなっちゃった……」

あくびをするとりおんはポケットから白い粉が入った小さい瓶を取り出して、適量に自分に振りかける。

すると、みるみる体が小さくなって、いつも馴染んでいたりおんに戻った。

「この姿なら一緒に寝てもいい?」

「え?あ、うん……」

「ほんじゃ~寝よーよ~」

腕を引っ張られてりおんのたまにでる強引さに、ついていくしかなかった。

階段を上って、私の部屋へ。
来たのだか、しおんの姿がみあたらない。

「あれ?しおんは、違う部屋?」

「そうだと思うけど……ふぁ~……ね、僕もう眠たいから寝る~……zzz……」

「はや……」

もう、寝ちゃった……?
りおん、そのまま寝ちゃった……。

小さいりおんをベッドに運んで、布団をかける。

「……おやすみ」

頭を優しく撫でてあげると、寝ていたはずのりおんので手がにゅっと伸びて私の腕をつかむ。

え、なに!?

「ここにいて。俺誰かがいないと寝れないんだ」

りおんの俺と言う言葉をはじめて聞いた衝撃と、びっくりしてまばたきの回数が多くなる。

「……そう。わかった」

「隣、一緒に寝てくれる?」

ベッドに潜り込むと、りおんの温かい体温が私に伝わって私を安心させる。

「りおんも、子供みたい」

思わず笑ってしまった。

「むっ。僕は今年で32だよ。君より全然上」

張り合うところなんかも、ますます笑ってしまう。
なんで笑うの、とかなんでもないことに幸せを感じてしまう。

「りおん」

「……なーに?」

「おやすみなさい」

「……うん」

温かい体温に包まれながら、りおんと一緒に夜を明かした――……。