伝えたい言葉がある。


「ありがとうごさいました~」

結局寝れなくて、終わりのチャイムがなる。
保健室を出ると頭の中から声が聞こえた。

│大丈夫~?死んでない?聞こえてる~?│

あれ、どうしたんだろう?
何か急用かな?

│うん、どうしたの?│

│今すぐに起きて逃げて!大きいにわとりがそっちにいったから!!│

え、にわとり……?

そう後ろを振り向くと騒がしくダダダダッと向こうの廊下から音が段々と大きくなって―――……。

「にわとり~!!?」

「こけ~~っっ!!」

廊下を埋め尽くす大きさのにわとりがこっちへ走ってきた。私も急いで廊下を走る。

た、助けて、助けてっ!!

角を曲がるところでしおんとりおんがにんまりと笑っていた。

「よっしゃ捕獲っ!」

ぎゃあっ!!なんなのこれ!?

人が入るくらいの網に私は入れられ、りおんは銃みたいなものをぱしゅっと鶏にうつと、どんどんそのにわとりは小さくなっていく。

え?

「いや~よかったよかった!これで界金がはいってくる!これをお金にすれば人間での暮らしも――」

りおんは、鶏を手にしてはっとした様子。
私の方をゆっくりと振り返った。

「ちょ、ちょっと待って!これはその!お金になるから!お金持っていればまりあちゃんに頼らなくてすむから!」

……ふーん?界金、ねぇ。なにそれ。
というか、なんで私は網に……。

なんとかして脱出すると、しおんと目があった。

「あれ、なんでしおんの服をまりあちゃんが着てるの?……まさか……」

「あ?知るか。たまたまだ」

そう。たまたま。
気まぐれで貸してくれたものだ。

「ふーん?そう……」

何だかぎこちない距離感に、そわそわしてしまう。
今さっきまで網で楽しそうにしてたしおんは、不機嫌そうにそっぽを向く。

「ま、いいや。しおんちょっと話があるから後で俺のとこに来て?まりあちゃんは先に帰っててよ。また後から帰るからさ!」

「……ああ」

え、なんだろう?
二人だけの話、気になるなぁ……。