数学の授業ではあるが、まったく身にはいらない。
しおんをちらっと見るとふんふん頷きながら解いている。
ちょっと待て……。
小学生から教育を受けている私の立場は……。
今日一日中しおんの事が気がかりでまったくてがつけれなかった。逆に先生に当てられるとしおんが「そこは12だ」と助言してくれる。
いやいや、なんだよこいつ。
なにもん
やっとお昼休みになったかと思うと、皆がバラバラに移動するなか「腹減ったお弁当食べようぜ!」とそれぞれ食べだす。
「なぁ、お弁当って食い物か?」
こそっと耳打ちすると、そうだよ?と答えた。
輝いていたので「食べに行く?」と誘うと即効に頷くしおんにぶはっと笑ってしまった。
……睨まれたけど。
うちには学食もあって皆が食べに来るから満員に近い。
「はいはい。じゃあ行こう?」
「……ふん」
素直じゃないが楽しみらしいしおんが可愛くみえた。
学食に着くと、人が多くてうげぇとした顔をしてた私に比べて、しおんはお腹を鳴らせて今にもよだれが。
あ、よだれひっこめた。
「じゃ、食券買いに行くから。しおんはなにがいい?」
「全部」
おもわずべしっと背中を叩いてしまった。
列に並んでいるとだんだん空いてきて私たちの番になる。
うーん……どれにしようかな……?
「このカツ丼っていうのはなんだ?」
「それは、味付けされたお肉を揚げて卵でとじたどんぶり」
「じゃあこれは?」
「それは――……」
後ろの女子が変な目で見ている。
やばい、早くしなくては。
「じゃああんたはカツ丼定食でいいわ。私はざるそばにしよ」
ピッピッと2つ押すと券がでてきた。
小銭もじゃらっとでてくる。
「買わないと食べれないのか?」
「……あたりまえでしよ!ほら、変な目で見られるからさっさといくよ!」
腕を引っ張って食堂へいくと「お、……悪い」と謝った。
しおんが、しおんが謝った。
あのしおんが。
寒すぎて鳥肌がやばい。
食堂のおばちゃんに食券を渡すと、お盆をとって作ってくれたものをどんどん生徒が取っていく。
「はいお待ち堂さま~!」
目の前にカツ丼とざるそばが置かれて私の分はお盆に並べる。しおんは、固まってカツ丼を見ていた。
「なにしてんのよ、早かそれとらないと次の人が邪魔でしょ!」
「お、おう」
喉を鳴らせてしおんはカツ丼とその他の味噌汁や餃子をお盆に並べて私の方を向く。
わぁ……。
今にも食べたいって顔してるわ~……。


