教室へ入ると人がいる中に、しおんがいた。
扉を閉める。
あれ、幻覚かな?
いま確かにしおんが……。
ガラッ――……!!
え。
「あ~!僕おねぇちゃん来たからちょっと行ってくるね~!お姉ちゃん達ばいばーい!」
「……ちょっとこっちへ」
しおんごと抱き上げて脇にはさみ、ダッシュで廊下を全力で走る。先生の怒った声など気にしない。
前にしおんが連れていってくれた人がいない学校の裏側に走りついて、息を整える。
「あ……あんた、はぁ……はぁ……またなにしてんのよ!」
「あ?知るかよ。りおんはまた帰っちまうし俺一人部屋に籠ってるなんてごめんだぜ」
眉を寄せてふてくさているしおんはそっぽを向いた。
今朝、しおんが寝てる間に体を小さい男の子に戻したけど、りおんが相手にしてくれないとこいつは一人だ。
はぁ……ま、いいわ。
「いい?学校ってのはだいたい私達が学びに来てるんだからあんたみたいなのは本当は入っちゃいけないわけ。わかる?」
「……知るかよ。こっちは退屈なんだ。じっとしているのなんて気が気じゃねぇんだけど。あ」
なにか閃いたようにしおんの顔が明るくなっていく。
「そうだお前!俺をもとの姿に戻せ!」
「はぁ?」
そんな、もとの姿に戻してしおんが何をするのか分からないから戻すにも抵抗がある。
「いいから!」
うぐ……。
そんなキラキラした顔で言われたら断れないじゃない……。
仕方なく、体を元に戻した。


