誰か、いる。 「お前が……立川家の27代目………」 ひっ…………。 夢で見た、あの金色の瞳の男だ。 すぐに逃げろと私の頭のなかで警報を鳴らしている。 人間が、鏡のなかにいるはずがない。 こいつはなんだ。 「こ、ないで……」 鏡の向こうから手が伸びてくる。 私は開かないドアの前で行き場を無くした。 やだ、やだやだお母さんっっ‼ 「怖がるな。直ぐに楽にしてー」 すうっと鏡から出たときだった。 瞬く間に光が部屋中に漏れた。 「な、なんだ!?」