「お、お母さんちょっと私も二階に行くねっ」
お母さんを1人取り残して、私も二階へ。
自分の部屋に向かった。
中から話し声が聞こえる。
「ったくなんでこっちにきたんだ!お前は任務があったはずだろ!」
ガチャっと話の最中にドアを開けて中へはいると、りおんの目とあった。
「いや、mybrotherのことが心配で心配で~。ところでしおんは任務をこなせなかったのか?」
ぎくっとする。
「あ、あの~……」
「うるさい今はだまってて!」
「うるさい今はだまってろ!」
瓜二つだ。
は、はい~……。
ベッドの片隅で二人を見物するしかなかった。
「だいたいなんで人間なんかと共存してんだよしおん!頭の疲れすぎでいかれちゃった!?」
「それは仕方がなくだ!こいつは何かで守られているから簡単には殺せないことはもう実証済みだからな!」
「じゃあスーパーで買い物してたのは何だったんだよ!下の奴等な知られたらしおんお前が――」
「もう危ないことには変わりねぇんだ!りおん、お前まで関わればお前だって危ういんだぞっ‼」
沈黙が流れる。
不意にりおんがこちらを向いた。
「なら、俺がやる」
え……やだ……い、いやぁぁぁっ‼
りおんの懐から見えない早さで私を刻もうとする。
けれど、それはガキィイイイッン――と何かが弾いた。
「フーン……。なるほど。この子は何かに守られてるようだね……くんくん……同じ匂い……これは……」
りおんは短剣を懐に直す。
「そんな睨まないでよ。背中からでも充分伝わるから。そんなにこの子が気に入ったの?しおん」
そうりおんは、しおんの方を向くと不機嫌なしおんが物珍しいような顔をした。
気に入る?しおんが私を?


