~*mariaside*~


 シオンはもうこの世界にいない。
 そう、思っていたのに。

「い、いってぇええ....」

「シ、オンなの...?」

「...んあ?」

 突然何もない処から道端に降ってきた。
 少し、外見が幼いが、間違いなくシオンだ。

「ちょ、ちょっときてっ!!」

「は?なんだお前、ちょ、どこいくんだよ!?」

 建物の陰に身をひそめると、手を離す。

「今まで何してたの!?リオンはどこ?」

「は?シオンとかリオンとかお前何言ってんだ?俺の名前は―――」

 え...?

「いっ....っ...」

 頭を押さえてしゃがみこむシオンに似た彼は、苦しみだした。

「ぐ、ぁぁああああっっ!!」

「シオンッ!?」