勢いよく布団から起き上がる。

「ゆ…………め…………?」

やけに生々しく記憶に残っているこれは、一体…………。

今のは、なに?
人が、山のようにー……。
あれは、血?

手を見てみると赤いなにかがついていた。

「ひっ…………!」

うそだ!
夢が本当になるわけない‼

急いで階段を降りて洗面器の場所まで走る。
赤い。何か。

いやだ、いやだ‼

霊的な物を見てしまうこの体質のせい。
だけどこんなケースは生まれてはじめてだった。

「なに、これぇ‼」

手を洗うと白い洗面器が赤く染まる。
こんなこと、今までになかった。