19歳の誕生日、いつも通りのパーティーにいつも通りのプレゼントで祝ってくれる周りの大人たちに、一人の少女が笑っていた。

「ありがとうっ!!とっても嬉しいっ!!」

「おめでとうサーシャ。これは私達からの誕生日プレゼントだよ」

「わ~!!ありがとう!!」

 彼女は悪魔の中でも未熟で悪魔らしくないほどに純粋に育った為に、彼女自身うすうす気づいていた。自分がどれだけ周りから笑顔を貰おうと、影でひそひそ言っている声に。

「...あのこ、もう19なのに何も殺せないみたいよ?いっそのこと天使にでも行ったらいいのに」

「ほんとよねぇ。汚らわしい」

 ...知っているもん。

 プレゼントを開けると、そこには文字で書かれた「死ね」の文字。

「さっさと死んじまえ!このできそこない!」

 どこかの誰とも知らない子供がわらわらと母親を盾に暴言を吐く。

 でき、そこない...。