伝えたい言葉がある。


「死ね」

 短剣を振り切った―――。
 とっさに目をつむると、剣の音が響く。

「...どうでもいいが勝手にそいつが死んだだけだろーが」

「しおんっ...まりあちゃん!お母さんを早くどこかにっ」

「え...」

 とっさの事で頭が回らなくて、お母さんを見たときには私の背後に気配がした。

 え...?

「っ―――?!まりあっっ!!!」

 ゆっくり、剣が振り下ろされる―――。
 スローモーションのように見えた。

 私、今度こそ死ぬんだ...。
 しおん、なんかすごく怖い顔、してる...。

 恐怖と安堵が交じったような感覚に、身をゆだねた。
 けど、私は殺されず、代わりにシルクハットの男が倒れた。

 私、生きてる?

「...っ...はぁ...無事か?」

「う、うん...」