伝えたい言葉がある。


「お、母さんっっ」

「...お母さんと呼んでくれて、ありがとうまりあ」

 近づいちゃダメっ!!

 シオンが両手を縛って動けないようにしている為、母親は近づいてしゃがんだ。
 
「ダメだよ。キミは下がってて」

 開いていたドアの方から腕を掴まれた。
 りおんは、何か知っているように私を止めにかかる。

 ....おかあ、さん...。

「....ごめんなさい」

 な、んで頭を下げるの?

「本当にごめんなさいっ。祖母は何も悪くないの!あなた達家族を裏切ってしまったのは私なの!奥様を、騙すような形になってしまって、本当にごめんなさいっ.....」

「謝って何か解決するとでも言うのか」

 喉のすれすれの所まで短剣を彼女に向ける。

「....っ」

「お前らを信じていた。もう二度と魔王に近づかないと。けど、どうだ?淫らな女が魔王に近づいてたぶらかしたっ!!」

 な、にを言ってるの?

「お前のおかげで俺の妹は死んだ。魔王の妻は死んだっっ!!!」

 それって...。
 
「...っはっはっはっ....あっはっはっは!!なんてざまだ。人間の世界に来て穏やかな日々を過ごしているお前は何だ?一体なんのために俺の妹は―――」

 やめて...。