伝えたい言葉がある。


 ぱっと離される手に、もう何も言えなくなってしまう。

 こんなこと言いたかったわけじゃないのに。
 違う、もう.......やだ.....。

「.....っ一人に、してよっ...」

「それでいいのかよ」

 え....。

 背中を向いてるから今シオンがどんな顔しているのかわからない。

 けど、どうしてかしおんの切ない声に胸が苦しくなる。

「お前は....お前にとってあいつは母親なんだろ?なら別に問題ねぇじゃねぇか」

 問題、ない?

 振り向くと、真剣な眼差しで、私を見てた。

「....だってあの人はしおんの、お母さんでしょ?」

「はっ、別に今更関係ねぇな。母親が見つかっても俺らにはどうともない。今一人になるな。まだあいつがいるかもしれない。危険だからさっさと戻るぞ」

 ...待って...。
 
 シオンの、相変わらず黒い洋服。
 悪魔のほとんどが黒を好むのかは知らないが、私は端の部分を掴んだ。

「待って、シオン...」