伝えたい言葉がある。


 時は遡り1978年11月19日―――。

 一人の女が薄暗い暗闇の中、小さい二人の赤子をベビーカーに乗せて礼拝堂の前に置き去りに走っていった。

 まだ産声をあげる赤ん坊二人に、母親は涙しながらその場を去ったと言う。
 
 赤ん坊の見分け方は、一人は目元にほくろがあってもう一人には、おへそあたりに二連にならんだほくろがあった。

「私は、魔王さまとの子供ができてしまって子供を、どこかに隠すしかなかった。子供を礼拝堂に置いてきたとき、どれだけ辛かったか今でも、忘れないわ...」

 思い出すように、母親はまりあを優しく撫でる。

「おいおい...まてまて...ふざけんなよ...」

「嘘だ....」

 不意にしおんとりおんは、目を見開かせる。
 それが意味していたのは、

 二人が、本物の魔王の子だということ。
 目の前にいる女が、母親だということを意味していた。