「ち、がうわ。私にはまりあっていう名前が...」
「そうか..........なら死ね」
次の瞬間私は刃物で、一瞬のうちに切られていた。
男の赤い目が悲しんでいるように見えて、なんて、綺麗なんだろうなんて。時がゆっくり流れているように倒れる。
苦しい。
息が、うまくできない。
廊下からドタドタ焦る音が聞こえてくる。
バンッ―――――。
「おいなんだこの匂い――――っ?!てめぇ!!」
血の流れる私をみて、血相を変えて男を睨む。
し、おん...助けに、きて、くれた...。
もう一つ、足音が近づいてくると男は「違かったか...」そう言い残して窓から姿を消した。
ガチャッ――――。
「ん~、朝から何の騒ぎなの?」
お、かあさ、ん....。
「ひっ」
私の姿をみるなり青ざめた様子で私に近づくと、隣でしゃがみこむ。
「ま、りあ....まり..きゅ、救急車っ、救急車呼んで早くっ!!」
「っ揺らすなっ!!おいりおんてめぇいい加減起きろ緊急だっ!!」
心の中でしおんは呼びかけたのか、りおんがやってきて「一体何が...」と状況を飲み込めないでいると、お母さんと並んで隣に座って手をお腹にかざすとりおんの手が光る。
「応急の処置ぐらいしかできないけど、しないよりは、ましだと思うよ」
お腹の部分が温かい。
あれ、なんか、体が軽い?
けど、まだちょっと...痛い、かな。
魔法を使っている所を、ばっちりお母さんに見られて。言い訳ができない。
「あなたたち....」
「救急車がいつ助けるんだ。こうした方がはやかったからりおんを呼んだ。何か文句あるか?」
「しおんっ......ごめんねまりあちゃんのお母さん。隠してたけど僕たちは人間じゃないんだ」
りおん...。