伝えたい言葉がある。


「別に。まぁ、そんなことより、早く機嫌直しなさいよ」

「おいこら、何―――」

 だいたいなんで私が怒られなくちゃいけないのよ。
 シオンだと思って追いかけたのに...。
 そこは、なんか別な言い方ってもんが...。

「おい、まりあ?」

 今では馴れ馴れしく呼ぶ名前にも。
 なんか、怒る気失せちゃった。

「はいはいごめんね。もうシオンだと思っても追いかけないから」

 やっぱりリオンのところに帰ろう。

 行こうとしたら不意に腕を掴まれた。

 え、なに?

「シオン?」

 この時のシオンは、初めに見た、真剣なあの時のシオンの顔だった。獲物を、仕留めようとするケモノのような、瞳で。

 私を見つめる。

「他の男のとこなんか行くな」

 え....。
 なんで、そんなこと言うのよ...。
 リオンの言った通り、本当にシオンは私の事好き、
 なの?