その男を、正面から見た。
シルクハットをかぶって全身黒、まるで話にも出てきた切り裂きジャックのように。
この人は、一体なんのつもりなの?
赤い目をしているのは、本物なのだろうか。
まりあの恐怖心が体に出る。
「俺が怖いか?」
「...ええ」
今は、おとなしくしといたほうがいいわね。
「今は殺さない。お前が———」
その時、ナイフが空から飛んできて、その男の頬に傷をつける。
男も敵に気づき、上を見上げた。
「まりあ様、無事でしょうか」
「あ、あなたは————」
タウイのところの秘書でもあったあの男だ。


