────本当は、ずっと前から気づいてたって。 俺は、瑠璃の肩を抱いていた腕を離して、代わりに泣きじゃくる瑠璃の顎をクイッと上げた。 ────なんで、いきなり抱きついてしまったのかも。 ────なんで、他の男にイライラすんのかも。 全部、全部、 「瑠璃が好きだ」 そのせいだって。 俺はそう言って、そっと瑠璃の唇に自分の唇を重ねた。