一時間の休憩。
C班の揉め事もあり、妙に静まり返ってしまった教室。
特に何をするわけでもない。
本来ならば、作戦などを立てて有意義に過ごすための時間のはずなのに。
「そういえば、留美。
子どものほうは大丈夫なの?
まだ小さいんでしょう?」
私は、留美に話しかけた。
留美は、二児の母親だ。
きっと、子どものことが心配なはず。
子ども達だって、お母さんのことを家で待っているに違いない。
私も、小さい頃はお母さんが出かけていたときは、とても心細かった。
子ども達は、きっと寂しい思いをしているころだろう。
「そ、そうね。
心配だわ…。
早く、家に帰りたい……ね」
留美は、ぎこちなく答えた。