同窓会

私が真実を言ったところで、男子のリーダー的存在で、みんなから慕われていた尾崎君がそんなことをするなんて、きっと誰も信じてくれないだろう。

むしろ、私が軽蔑されてしまうだけだ。


だから、私は誰にも言えなかった。
仲が良かった千穂にも、言えなかった。



問題の尾崎君はというと、留美と



「いやー怖かったなー」



と、平然としながら、ペラペラと暢気におしゃべりをしていた。



怖かった?


それはこっちの台詞よ。


ベッドの下で、ずっと鬼に見つかるかもしれないと怯えていた。

だけど、尾崎君が自分が囮になると言ったから、だから恐怖からなんとか耐えることができたのに。


それなのに、まさか尾崎君が私を犠牲にするなんて。


尾崎君がそんなひどいことをする人だったなんて、微塵も思わなかった。

尾崎君は、中学のときからみんなから慕われていたし、私も信用していた。


だけど、尾崎君の本性は、最低な男だった。


同じ班だけれど、なるべくこれからは尾崎君に関わらないようにしよう。