同窓会

鬼がベッドのシーツをめくろうとする。


もう駄目だ………。


見つかってしまう……!




「小林さん」




尾崎君が、小さな声で私の名前を呼ぶ。


おそらく、さっき言っていたように、私が見つからないようにするために、自分が囮となって飛び出していくつもりだろう。



「ごめんね」


尾崎君は、小さくそう呟いた。

『自分が囮になるから、一緒にいられなくなるけど、ごめんね』

そういう意味の“ごめんね”だと思った。