…それってつまり、俺に似てるそいつって言うか、立場的に言ったら山田の方じゃねーの。

あーもうわけ分かんねぇ。

高野から見たら自分を思ってくれてる男は山田の方なはずで、性格は似ても似つかないだろうけど俺は立場で言ったら上手くいった方の男になる。

それって何。

俺油断してたらマジで危ないやつ?

どうすりゃいいわけ?


「あ、ここでいいんじゃない?」

「ん…」

もうすぐ花火が始まるからか、人が多くなってきてドンドンぶつかられる。

それは高野も同じようで、フラフラしてるとこを見ると危なっかしい。普段下駄なんか履くことないから慣れてないんだろう。

おまけにたまに顔を歪めてる。


「足痛い?」

「え…何で」

「眉間にシワ」

いつかと同じように眉間を突いてやれば、バレたか、なんて言って少し笑った。痛いくせに。