1日で帰ってこられるなら文句は全くなかったし、ちゃんと伝えるのはその後でも全然遅くなかっただろうけど、それがそうもいかない。

「ふざけんなよマジで」

こうして3日目に突入した出張にイライラしても仕方ないけど、これくらいは言っても許されるはず。


あの後ほんとに寝てしまった高野をベッドまで運んで大人しく家に帰ったのはいいけど、言うなら直接が良かった。

電話で、とか嫌だったし。

そうなればもう次会えるのは俺が出張から帰ってからってことになるわけで。

あれだけモヤモヤしたのにまた更にお預けって何なのマジで。どういうこと。


『おーい、加地くん?聞いてる?』

「んだよ、聞いてるよ」

『そんなに不機嫌にならないでよ、俺が決めたことじゃないんだし』

そもそも3日で終わる予定だった出張も上手く終わって、明日帰るって時に鳴った電話は、山田からのものだった。

それも、内容が嬉しくない。