侵入者は教室の中にズカズカと入ってきて、私から数学のプリントを奪うと、近くにあった磁石でプリントを黒板に貼り付けた。


そしてバシン!!黒板を勢い良く叩…殴ったのだ。



「こいつが教室に帰ってくるまで提出しとかねえとこの那智 麟之助(なち りんのすけ)様が容赦しねえからな」



ドスの効いた声で吐き捨てる。クラスメイト達の生唾を飲む音が生々しく聞こえた。



────那智 麟之助。なんて強そうな名前なんだろう。



ていうか、助けて、くれたの……?



これで文句無いだろ?と満足気に私を見た侵入…那智さんは顎をグイグイと動かして私に教室から出ろと合図を送ってきた。



「…す、すいません、」

「ああん?まだなんかあんのか?」

「…じ、実は足が動かな、ギャアア!」



なんと那智さんは私を肩に担ぐという強硬手段に出たのだ。

絶対にパンツが見えている!パンツが丸見えになっている!恥ずか死ぬ!

そんな事を訴える暇も無く、那智さんに拉致されたのだった。




《 シュレック、野獣と出会う。》
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