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そして放課後。
今日はアルバイトが休みのため、あたしと舞美はお見舞いを購入してからゆっくり冬の家に行くことになった。
病気のお見舞いと言っても、好きな人へ贈るものだ。
舞美はスーパーの青果の前で立ちどまり、どのフルーツを持って行くか随分と悩んで決めていた。
結局食べやすく切っているカットフルーツを選び、あたしたちは冬の家の前まできていた。
仲がいいから何度も訪れたことのある冬の家。
大きくて茶色いレンガの壁が印象的な家だった。
「行くよ、舞美」
「う、うん……」
自分の気持ちに気が付いてしまった舞美は少し緊張気味で、何度も深呼吸を繰り返している。
「大丈夫だって。あたしも一緒にいるんだから」
あたしはそう言い、舞美の背中を押した。
舞美は大きく頷きチャイムに手を伸ばす。
家の中からピンポーンとチャイムの音が聞こえてきて、すぐに玄関に人影が見えた。
「はい」
細い声と共に玄関のドアが開く。
中から出てきたのは冬の母親だった。
冬の母親は声と同様に病的に細く、どこか暗い雰囲気のある人だった。
そして放課後。
今日はアルバイトが休みのため、あたしと舞美はお見舞いを購入してからゆっくり冬の家に行くことになった。
病気のお見舞いと言っても、好きな人へ贈るものだ。
舞美はスーパーの青果の前で立ちどまり、どのフルーツを持って行くか随分と悩んで決めていた。
結局食べやすく切っているカットフルーツを選び、あたしたちは冬の家の前まできていた。
仲がいいから何度も訪れたことのある冬の家。
大きくて茶色いレンガの壁が印象的な家だった。
「行くよ、舞美」
「う、うん……」
自分の気持ちに気が付いてしまった舞美は少し緊張気味で、何度も深呼吸を繰り返している。
「大丈夫だって。あたしも一緒にいるんだから」
あたしはそう言い、舞美の背中を押した。
舞美は大きく頷きチャイムに手を伸ばす。
家の中からピンポーンとチャイムの音が聞こえてきて、すぐに玄関に人影が見えた。
「はい」
細い声と共に玄関のドアが開く。
中から出てきたのは冬の母親だった。
冬の母親は声と同様に病的に細く、どこか暗い雰囲気のある人だった。



