ベチャッベチャッと音を立てながら『お客様』の体から臓器が落下して行く。


あたしはその臓器をホウキでかき集めた。


「あなたの皮膚の一部を再利用させていただきます。そうだなぁ……カバンなんかどうでしょう?」


河田さんの言葉に『お客様』はうっすらと目を開けて小さく笑った。


了承を得られたということでいいようだ。


「それでは……これで最後です」


河田さんはそう言うと、『お客様』の頭を大きなナタで切断した。


ドンッとナタで首を切断する音が聞こえた瞬間、『お客様』の体からフワリと白いモヤが立ち上ったのが見えた。


「今のが魂だ」


大きな仕事を終えた河田さんはそう言い、肩で深呼吸をした。


「初めてみました」


「モコちゃんには刺激が強すぎるからね……。大丈夫か?」


「あたしは大丈夫です」


少しの吐き気は感じるけれど、留衣と夢羽の事を忘れるための刺激になった。